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金沢アトリエ訪問vol.5 11:30
 

8月27日(土)14時。
面白い建物にくわしい建築家と一緒に、不思議な間取りのアトリエを巡るという
今回の「金沢アトリエ訪問vol.5」。
集合場所は石引1丁目交差点にある下馬地蔵前
あたりという、
なかなかゆるいスタートでした。

いつも通りスタッフ含め、参加者皆の自己紹介からツアーは開始しました。
今回の参加者は半分が海外出身。英語の先生をしている方、作家やアートファン等さまざまです。


まずは歩いて山室淳平さんのアトリエへ。
山室さんは2006年に金沢美大を卒業され、現在は平面作品を中心に
制作、県内外で発表をされています。



建物は小立野の細い路地の階段を下る途中、崖に沿って建てられた2階建ての物件です。
もともとは共同事務所で居住用には作っていなかったそうですが
昭和45年から賃貸を始め、以来代々美大生が代々住んでいるそう。
居住用に作られなかったためか、玄関を入ると階段の上り下りがあったり
2階のトイレが1階とつながっていたり、なかなか変わった間取りで一同驚きです。
大家さんからお借りした貴重な設計図面資料を見ながら建物を楽しみました。



山室さんの作品も建物に負けず劣らずユニークです。
自然と不自然を組み合わせ「奇妙さ」を感じさせる絵画作品を制作されていて、
その色や形、モチーフのレイヤー(重なり)といったバランスが絶妙です。
「山は日本人らしいモチーフだと思うけど意識している?」「いつも何時に絵を描いている?」
「家賃は?」「最近の作品は各要素の重みが増してるようにみえるけど意識の変化があった?」等参加者からの質問が飛び交いました。


次に向かうは井上大輔さんのアトリエです。
井上さんは2009年に金沢美大の博士課程を卒業され、現在インスタレーション作品を中心に制作、県内外で発表をされています。



井上さんのアトリエは一軒家を改修したもので、これも代々美大生が住んでいる物件です。
石引商店街にあった醤油店の店舗を移築したそうで、その名残として奥の間に大きな釜があったり、間口が狭く奥行きが深い「うなぎの寝床」構造で、かつ採光のための坪庭(現在はお風呂!)が残っていたり、町家ならではの風情が残っています。一見町家のように見えないほど、うまく現代的にリノベーションされており、2階の居住空間や奥の間のゲストルームは開放的で(暑さ・寒さを考えなければ)とても過ごしやすそうです。



井上さんの作品はかつて土間だった空間に何点か展示されていました。
1つの世界観を作り上げるのではなく、物と空間、物と物の関係を現象として見せる作品で、
例えばシャボン玉の軌跡を撮影した作品や扇風機で紙風船を回し続ける作品、水がパズルのように形づくられたかと思うとまた水にもどりそれがポンプで循環する作品など、
作品を媒介に関係が変化しつづけ、何かの実験のようでもあります。作品の仕組み等を教えてもらいながら、アトリエにある様々な不思議なものに皆興味深々でした。



今回訪問したアトリエは築30年は経過した、それぞれにかなり変わった物件でしたが、一方は強度に不安の残る鉄筋、一方は改修された町家と、古い町並みの残る金沢ならではのバリエーションだったのではないでしょうか。作品と建築の関係も「この物件にこの作家あり!」とまではいかなくとも、どこかしっくりくるように思った、とはガイドの山田さんからのお言葉です。

山室さんや井上さんのアトリエのような物件をうまく使いこなすのはやっぱりアーティストでないとなかなか難しいように思います。まだまだ金沢に眠るユニークなアトリエは沢山あるので、次回以降のクリツーアトリエ訪問をお楽しみに!


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金沢アトリエ訪問vol.4/Kanazawa Atelier Visit vol.4 11:18
 Higashiyama area

 Having lived in Kanazawa for five years, I thought I had seen everything from Kenrokuen to the smallest art galleries.  I prided myself on being somewhat of an expert on Kanazawa.

 However, I was proved very wrong! One day last September, I found a flyer for a tour of artists’ studios in Kanazawa. Since then I have been on numerous tours of Kanazawa, and have been taken to many places I would have never been able to go if it weren’t for the experts at Kanazawa Creative Tourism. Always delightfully surprising and wonderfully informative, through these tours, Kanazawa’s secret creative places have been revealed to me and my fellow tour participants.

 This time was no different. At the luxurious Kinjoro restaurant, I had the privilege of listening to Tea Ceremony-ware expert Mr Tanimura’s fascinating lecture on the history of tea ceremony.  We learned about the history of tea ceremony in Kanazawa, the role of tea ceremony in Japanese history and the importance of tea ceremony in supporting crafts people of all disciplines. One interesting aspect of his talk was that he compared tea ceremony to golf, at least in the past; tea ceremony provided a chance for people to relax whilst networking and discuss important topics of business and politics. 

Motoyasu-sensei talks about Kazue-machi

 Next, the head of the craft department at the Ishikawa History Museum Motoyasu-sensei and Kanazawa Bidai’s Sakamoto sensei gave talks about the development of Kanazawa city. They explained how the castle city has developed and how geisha districts such as those at Kazue-machi were formed, explaining why they are located where they are. These talks were highly informative and provided the perfect background to the walking tour that followed.
 We left the beautiful surroundings of the restaurant and started our tour of Kazue-machi and its surrounding areas.  As soon as we stepped outside the building Motoyasu –sensei pointed out some interesting features that I had never noticed, including a section of the moat of Kanazawa Castle that still remains today. Kazuemachi is one of Kanazawa’s most charming areas. Time seems to have stood still in those narrow streets, closely packed wooden houses and winding passages.

At Genpo-in

 Our first stop was源法院. Nagashi Somen was flowing down bamboo chutes that protruded out of the temple windows. Attempting to catch the slippery, fast moving noodles as they slid past was great fun but much more difficult than it seemed. Inside was an exhibition of Kaga Yuzen dyed silk which transformed the dark interior of temple into a riot of bright colors and lively designs.

 For the next hour or so, we visited numerous machika (tradition wooden townhouses) and teahouses, each of which housed an exhibition of contemporary craft. Motoyasu sensei also gave us some fascinating historical insights into Kanazawa`s past as we wandered through the narrow alleyways and streets.

At Baiso

 The contemporary craft was a great contrast to the traditional houses. Pieces were displayed on the existing furniture such as Asakura’s Kutaniyaki pieces at Chikura which were placed on a bold red lacquered table, or even placed thoughtfully on the tatami such as Erika Fujiwara’s ceramic pieces at Baiso. This style of display has much more atmosphere than a white cube galley, and we also have a chance to appreciate the distinctive architecture of the machiya.
 In many of the places the artists were present and we could hear the artist discuss the work on display with them and discuss it with them. From Ms. Tokunaga at Motsu Nabe Ryu, we could see her beautiful tableware laid out and heard about the history of ceramics in her Area of Toyama city (I was startled hear thatthere are bears in Toyama)

A day market

 One of the highlights for me personally was the modern day market held outside a shirine, recreated on the historical site of a market. All the men and boys got distracted by the target shooting game. It was almost impossible to tear them away.
 The tour ended with a refreshing drink inside the Owari-cho Cultural Hall, where we could sit back and relax whilst enjoying Hiroto Morikawa’s stunning projected images of Kanazawa.  Yet another thought provoking day spent rediscovering Kanazawa.


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金沢アートコンシェルジュ番外編 スイス:ベルン応用科学大学 金沢建築ツアー 12:15
午後一時 ベルン応用科学大学の教授と建築関係の仕事をしている卒業生、コーディネーター等計13名が金沢アートグミに到着。まずは自由にギャラリー内を見学しました。
現在の展示は、高橋治希個展「in the vine」。九谷焼の磁器で作られた白く透き通る植物が、
隙間から差し込む「光」そのもののようにギャラリー全体に広がります。

本日のガイドは、金沢美術工芸大学 環境デザインの坂本英之先生と、吉村寿博建築設計事務所の吉村寿博さん。スイスからいらした皆さんの母語はドイツ語。現地コーディネーターの余村さんと坂本先生が、ドイツ語で北國銀行武蔵ヶ辻支店の説明をしました。
これまでクリツーのツアーは英語通訳のみでしたが、ドイツ語も(坂本先生が)対応できますね!

次の目的地、中村邸までは少し遠回りして、袋町・尾張町・主計街の町家建築などを見学しつつ、徒歩で移動しました。
やはりみなさん建築関係のお仕事をされているだけあって、町家の写真を撮影したり、坂本先生に建物の年代を質問したりしながら進みます。

中村卓夫さんのお宅では、作家のプライベートな邸宅を訪問するという、普通のツアーにはなかなか無い経験が皆の興味をかき立て、様々な質問や感想が飛び交いました。
敷地中央の座敷棟と庭、そしてギャラリーを兼ねた住宅棟を見学しました。
建物と庭、作品が見事に調和した中村邸は、まるで美術館のようで、ふらっと団体を離れて敷地内を自由に散策するメンバーも。中村卓夫さんから作品のお話も伺い、とても満足して中村邸を後にしました。

中村邸からは、市内周遊バスの「金沢ふらっとバス」に乗って移動。このバスはどこで降りても100円。細い路地を縫うようなルートも、他のバスには無い楽しみです。金沢21世紀美術館前で下車し、休憩を挟みながら10分ほど歩いて鈴木大拙館建設予定地に到着しました。

鈴木大拙館は、ニューヨーク近代美術館や豊田市美術館も手がけた谷口吉生設計。彼の名前は世界的に知られているだけあって、ツアー終盤で疲れ気味だったメンバーの目が輝きました。完成予想図を手に、説明を聞きながら内部も見学。

断熱材がむきだしの壁や工事用の照明など「現在進行中」の現場という印象が強いものの、
構造体はほぼ出来上がっていて、むしろ空想がかきたてられます。緑、水、石垣を印象的に用いた、モダンでありながら日本的な奥ゆかしさを感じさせる建築になるのではないかと感じました。

工事中の現場の撮影はNG。そのため残念ながら写真はご紹介できません。
完成が待たれますね!
最後に、金沢21世紀美術館のタレルの部屋で体を休めつつ、金沢21世紀美術館建設の際プロジェクトリーダーを務められた吉村さんから、美術館についての簡単なレクチャーがありました。

吉村さんは金沢21世紀美術館を設計したSANAAの直下で現場を統率し、意見を双方に伝達する重要なポジションを担っておられたため、美術館のことなら何でも知っています。ここでも、壁の素材や表面の塗装についての専門家らしい質問がありました。

最後は、坂本先生と吉村さんにお礼を言って解散。沢山歩いた今回のツアー、もう一刻も早く休みたい?と思いきや、美術館の見学やお土産を買い求めに散っていったメンバーは、まだまだ元気でした。

金沢アートコンシェルジュの、ガイド付き番外編企画だった今回のツアー、海外観光や建築専門家の視点から現地のコーディネーターとツアー内容やコースの検討を重ねました。
その結果、金沢で日本の建築の「現在」を体感する、ちょっと欲張り(?)で盛りだくさんな金沢建築ツアーが実現しました。

芸術都市金沢の楽しみ方を、また一つ、発掘できたのではないでしょうか。
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金沢アトリエ訪問vol.3 10:46
 2011年4月23日(土)に開催された
「金沢アトリエ訪問vol.3」に行ってきました。


今回の訪問のテーマは「オルタナティブ・スペース」。
金沢21世美術館学芸員の高橋律子さんをガイド役に、
青草町の金沢アートグミと問屋町の問屋まちスタジオの2つを巡ります。

そもそもオルタナティブ・スペースって何でしょうか?
チラシには“アートが生まれる場”としか記載されていませんが、
ツアー中の高橋律子さんの発言を一部記すと、
 ・作家が新しい作品に挑戦できる実験室 
 ・美術でも図工でもない、「アート」のもつ可能性を展開できる場所
 ・関わっている人たちが一緒に考えて実行できる柔軟性がある場所
具体的にはどういう場所なのか、については
このレポートを最後まで読んでから見えてくるはず!


さて、まずは金沢アートグミからのスタートでした。
北國銀行武蔵ヶ辻支店3階にあるこの場所は、昭和初期に建てられ
かつて銀行の社交場・会議室・倉庫等として使われていた空間です。
2年前よりNPO法人金沢アートグミが企画・運営管理を委託され、
今、2周年記念として金沢在住の作家、高橋治希の個展「in the vine」を行っています。

この展覧会の作品は九谷焼でつくられた透光性の蔓植物によるインスタレーションで、金沢アートグミの空間が向こう側の空間へとつながっているように、
建物の輪郭線を光で切り開いています。


作家の高橋治希さんからの話しでは、作品づくりの根底にある身体性についての考えや、
天井の高い今展の空間に合わせた作品イメージ・コンセプト等ついて聞くことができました。

学芸員の高橋律子さんからは、絵を一切描かず人工の光を用い「空間」でみせる実験的な作品であり、
日本人らしい自然への畏敬が感じられるこの作品は、“日本的インスタレーション”を考えるいいサンプルではないか、等というお話し。

オルタナティブ・スペースとしての金沢アートグミについても言及がありました。
「他のオルタナティブ・スペースをみていると場はあれどお金がなく、ともすれば
思いや活動が失速していきがち。様々な職種・経験・思考をもつ金沢のアート好きが
結集して運営しており、潤沢とは言えないながらも資金も場所もメンバーの気持ちも持続的な、比較的恵まれた場。」

各自、作家おすすめの鑑賞ポイントで作品をみたり、気になるところを
直接質問したりしているともう時間。バスに乗って一同次は問屋(といや)まちスタジオへ。


移動中のバス内では、問屋まちスタジオに入居・制作している
𡈽方さんから
バスガイドとして問屋まちスタジオのあらましやご自身のPR等、お話しがありました。

このスタジオは、アートを活用した新しい街づくりの取り組みをスタートした
問屋町の中心的な発信の拠点として、2011 年3 月に旧印刷工場を活用してオープンしました。
現代美術作家(金沢美大のホープたち)の手で作られるこの場所は、
制作・活動・発表の場として、
様々な分野の交流拠点として、
自由で実験的な試みを行っていくということで、

現在1発目の企画「TRAILER CAMP」が開催されています。


本展覧会は3月からこのスタジオで制作を行ってきた作家7名(本多裕紀、菊谷達史、
馬醫大輔、𡈽方大、中瀬康志、武田雄介、阿部乳坊)によるもの。


形のアウトラインを2次元で表現した作品、「川を叩きたい」という思いつきを形にした
プロジェクト作品、楠を細く長く彫り絶妙に自立させる彫刻作品、自宅と問屋町の間にある
様々なものを出来るだけなにもせず設置する作品、グラス・土山・金魚が泳ぐ球体の
あやうい均衡が面白い作品・・・などなど各作家のアーティストトークを交えながら、
奥に広いスタジオ内に並ぶ個性豊かな作品を鑑賞します。


オルタナティブ・スペースとしての問屋まちスタジオについて、
様々な立場から意見がありました。
 「元々は金沢美術工芸大学と問屋町の協定によるまちおこしからのスタートだが、
 若い作家が中心となってレジデンス(滞在制作)を行ってどんどんいい作品を
 作っていけるような場へ。まずは環境整備。」
 「問屋町ででる廃材は、作家にとってみれば宝の山。材料面での連携は勿論、
 企業対作家の関わりの中でできることを探りたい。」
 「金美卒業後“東京にいく、京都にいく、実家に戻る”のほぼ3択しかなかった
 新しいモデルとして、アートも夢も叶える環境へと育んでいきたい。」
 「21世紀美術館がけん引する金沢=アートの雰囲気を、市内に点在する
 ギャラリーやスペースと一緒に補完し合い、住んでいて魅力的だと思えるようにしたい。」

と皆さんなかなかに熱いです!
しかし活動予算を聞くと各所からサポートがあり比較的恵まれていますが
やはり少なく、各自持ち出しの部分も多いそう。
商業の町問屋町で「アート×ビジネス」の起こる場として、
様々に工夫しながら継続してほしいと切に思いました。


あっという間の3時間、金沢における作家やアートの可能性を考える
よい機会となったのではないでしょうか。
今あるクリエイティブなベースがさらに発展していくためには、
このレポートを読む、アートに興味があるあなたの力が必要かもしれません。
そう、オルタナティブ・スペースは「関わっている人たちが一緒に
考えて実行できる柔軟性がある場所」です。

明日からでも参加可能、何ができるかは自分次第の実験空間。
門戸は開いていますよ。



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金沢建築訪問vol.2 13:20

2011211日(金・祝)に開催された「金沢建築訪問vol.2」に行ってきました。

今回は大樋焼の大樋年雄氏をエスコート役に、
 
釜師宮崎寒雉氏の自宅兼作業場と大樋長左衛門邸/大樋美術館の見学です。

テーマは町家建築と茶道文化。
今でも金沢は茶道が盛んですが、元々は江戸時代初期に
加賀藩5代藩主前田綱紀に京都から招かれた茶人、千宗室・仙叟宗室居士
茶の湯を広めたところからその歴史は始まります。

大樋焼は千仙叟に楽家4代、初代長左衛門が同道した事より始まり
今の十代大樋長左衛門に続いています。一方釜師の宮崎氏は、
千宗室が前田家に出仕していた時代、藩御用釜師として
初代が活躍し現在14代宮崎寒雉が製作を続けています。
千宗室」をキーワードに、実はとても関わりが深い2か所なのです。



参加者の簡単な自己紹介をして、まずは宮崎さんのお宅に伺います。

とても寒い日でしたが晴れていたので、皆で歩いて移動しました。

武蔵、彦三、尾張町界隈は古い素敵な建築物が多く、
エスコート役の大樋年雄さんが子どものころから慣れ親しんだ場所+建築に詳しい
ということもあって、度々立ち止まって話をしながらのツアーとなりました。


宮崎さんの自宅は昭和2年に建てられた町家で、
彦三大火で焼けたものの、土塀と井戸はそのまま残っており
井戸水は今でも釜の仕上げに使用するそう。


通されたお茶室の床の間には釜が並び、中には

初代が作られたものもありました。お話は宮崎家について、
釜の種類、作り方、作るこだわり等について。
スライドや大樋さんとの会話を交えながら分かりやすくお話し頂きました。
いろいろな釜の形もありますが、注文者の細かな希望にも

応えることができると話す宮崎さん。

細部まで遊び心あるアレンジができることは再発見でした。


いまは毎月第4土曜にお茶会をしているそう。

在釜(ざいふ)という看板が玄関に出ているので、
気になる方は行ってみてはいかがでしょうか。


大手町にある「千仙叟宗室居士邸地跡」に立ち寄りながら、
次の大樋長左衛門邸/大樋美術館へ。
北国街道の目印にもなっていた、玄関先の立派な松や
ガラスの塀の話を聞きながら中に入りました。


今回見学した大樋さんのご自宅、実は
20数年前に火事で焼けています。
家を修繕する際、馬置き場と台所だった場所を「大樋ギャラリー」とし、
大樋焼きの敷瓦、漆喰、ガラス塀などを組み合わせて現在のモダンな姿にしたそうです。
「火事の改修は、日本の古いものをうまく利用することを
考えるきっかけになった」と語る大樋さん。


いい頃合いになったので、大樋長左衛門邸にある
お茶室「芳土庵」にて大樋焼きのお茶碗でお抹茶と
お菓子を頂きながら、大樋さんより沢山興味深いお話を伺いました。

大樋焼のルーツ、金沢の茶道文化について(「前田家は文化的秘密兵器を作っていった」)、
「献上」に関わる多くの金沢の職人の話、大樋焼の伝統で江戸時代から変わらないこと/変えられるところ、お茶をする度に学ぶこと、等々。


中でも金沢は茶道文化の職人が揃っている。道具をどう揃えるか、
どう使うかは自分次第だというお話に、今後のヒントがあると感じました。

確かにこの街の中には様々な美意識があります。
お茶、建築、工芸、現代アート等といった「要素」も、
それを楽しむ人、考える人、作る人といった「人」もいます。

クリエイティブツーリズムで今まで取り上げた要素はまだひと握り。
参加者もまだまだ多くはありませんが、少しずつこのクリツーに
関わった人たちが、この街にある魅力をそれぞれに見つけ
愛しんで、一緒に楽しんでゆくことが出来れば、
金沢の文化も、私たちも、幸せになれるのではないでしょうか。


次回の企画については、後日必ず発表致します。
ウェブサイト、ツイッター、メールでの案内になりますので
メール配信希望の方は事務局までご連絡ください。
(今までの参加者の方にはご案内致します)


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オープンスタジオデーvol.2 10:26
  2011年2月5日、6日、クリエイティブツーリズムの企画、オープンスタジオデーの2回目に参加しました。今回は昨年10月に開催された1回目の9作家の倍にあたる約20作家の参加となり、2日間では全て回ることが出来ないほどのボリュームがありました。

a

久しぶりの大雪に見舞われた時期でもあり、なかなかアクセスするのがたいへんでしたが、おもむくところ全ての作家さんに暖かく迎え入れていただいたことで、心温まる両日になったことを感謝いたします。


 まず初日最初に向かったのが、今城晶子さんの工房です。ここは、森本インターチェンジにほど近い月浦工房という金工若手作家の制作活動支援を行っている財団法人宗桂会が運営している施設で、現在3名の方がシェアしています。彼女はアンティークの腕時計のパーツを使ったアクセサリーを主に作られている作家で、他にも小物入れや、かわいらしいキャラクターを持ったオブジェ的な作品も作られています。

b

まず目に入ったのが金工作家さん特有な工具の数々で、作品の面の表情を出すのに使う金槌の種類の多さです。巧みに使い分けることで、みるみる金属に有機的な表情が生まれていきました。次に見せていただいたのは、時計のパーツ群です。 私がそうですが、メカニカルなモノに興味津々で、ゼンマイ仕掛けの腕時計が目の前で分解されていく様は 今城さんのかわいらしい風貌からは想像できないクラフトマン?ウーマン・シップも相まって 圧巻でした。 時計の心臓部であるテンプ(テンワ)という部分に複数付いてるチラネジの小ささ(1mm以下)に驚き、それらを調整して時間の狂いを調整することを聞いたり、作品の話題から逸れまくってしまいましたが、作家の工房でしか話すことの出来ない内容で、より今城さんの時計を使った作品に対する思いを感じました。


 次に伺ったのが金沢卯辰山工芸工房で、ガラス作家の山口京さん、金工作家の松田明徳さん、陶芸作家の戸出旬彦さん、それぞれにご自身の作品の説明と専門分野の加工工具や作業別の部屋の使用法など、事細かく案内していただいて、数回行ったことのある工房ではありますが、今まで以上に奧深い話を聞けました。

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山口さんには作風の変化に対する思いなども聞け、作家の葛藤している部分はとても興味深かったです。松田さんにはご自慢の?金槌のテクスチャーの作り方や、実演を交えてご自身の作品にどう生かされているかの解説があり、お気に入りの金槌も触らせていただきました。戸出さんにはご自身の作品もさることながら、他の陶芸作家の制作現場での解説もいただけました。

 このような感じで回っていますと、時間が経つのは本当に早いもので、もう夕方になってしまって、初日ラストに伺ったのは、戸出雅彦さんの工房です。九谷の5彩をベースに普段使いの食器からアーティスティックな作品まで、独特な造形やキャラクターと相まって確固たる戸出さんワールドを繰り広げている作家です。

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顔見知りと言うこともあって、結構フランクな感じで迎えていただきましたが、作品のスライドショーを用意していただいており、ご本人の解説付きの贅沢な作品解説を受けました。工房にはガスと電気の大きい焼き釜が2台あり、以前はそこで一般向けの教室も行われて、教室を自宅工房で行うことの葛藤、今後の人に教えるということに対する思い、やり方、なども語っていただきました。ギャラリーなどの人が買い付けに来られた時の話など、普段話さないようなことが聞け、改めて作家・戸出雅彦さんを感じることが出来ました。


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 2日目は、まず任田教英さんの工房に向かいました。彼の作品は四角い細かい単色ドットを組み合わせて、主に色数を極力少なくし、テレビゲームの画面を拡大したような作風で、マスキングテープとアクリルガッシュを駆使して作られていました。今後の展開も含め色々とお話しさせていただきました。 ここは寺尾ユリ子さんのシルクスクリーン工房の一角で、他にもシルクスクリーンを使って作品を制作されている方もいらっしゃいました。若手の作家がシェアして使っているということで、それぞれが刺激し合いとても興味深い環境です。

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 次は陶芸作家の藤原絵里佳さんの自宅兼工房です。ろくろの体験をさせていただけ、これは作業の現場を見せていただく醍醐味の一つでもあります。現在、ウドゥという壺の形をした打楽器を制作にも力を注がれており、そのブランド名が決まったら、打ち出したいといわれてました。名前のアイデアいただけませんか?との問いかけもあり、現在進行中の作品や構想を見て取ることが出来たの事で、作家をより深く理解できたと感じました。

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 水がしみ出ることで描く有機的で幾何学的でもある作品など、時間の変化をアーティスティックに表現する井上大輔さんの自宅兼工房では、間取りが面白く、ゲストルームもあり生活スタイルも感じることが出来、作品同様かっこよかったです。水のしみ出るマル秘の仕組みも、サンプルを使って教えていただいたり、「技術的に壁にぶつかったらどうされます?」などと質問をしても、笑って「電話かけまくります」「それしかないですよね!」などととてもフレンドリーな人柄を知れたことも収穫です。

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 最後に伺ったのは、山本基さんの大野の海沿いのアトリエです。潮風に吹かれるなかで作品が生まれていく様には、圧倒されました。失礼とは思いながら、ファミリーで伺ったのですが、優しく迎えていただきました。私の子供に対しても、塩の特性などを丁寧に教えていただきました。「内緒ね!」と言いつつも次の展示プランの構想モデルの説明していただいて、「ここ悩んでるんだよね〜」などと気さくな人柄で、塩の作品からは想像できない新たな一面を垣間見ることが出来、いっそう次回の展示が見たくなりました。

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 展示場で作品を見るよりも時間が掛かりましたが 、あっという間に過ぎていった2日間でした。作家の日常を垣間見ることが出来、人柄に触れることで、よりいっそう作品の深さを感じることが出来、皆様の今後の活躍が楽しみで仕方ありません。今回の企画を提供していただいた皆様に改めて感謝申し上げます。そして作家の方にこの場を借りてお礼を申し上げたいと申します。貴重な体験をありがとうございました。

 全ての作家さんのスタジオに伺えなかったことが残念で仕方ありません。是非次回は全てのスタジオに伺いたいと思います。宜しくお願いします。


【アトリエ写真】

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長原めぐみアトリエ「niche」

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指江昌克アトリエ

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kapoアトリエ(松本桂子、Caroline Ann Oakley)

【今回参加した作家】
阿部乳坊(金沢美大)、石崎誠和、井上大輔、今城晶子(月浦工房)、
菊谷達史(金沢美大)、指江昌克、谷村祐美(金沢美大)、任田教英、戸出旬彦(卯辰山工芸工房)、戸出雅彦、長原めぐみ、日暮し(お店)、藤原絵里佳、松田明徳(卯辰山工芸工房)、松本桂子、村住知也、山口京(卯辰山工芸工房)、山室淳平、山本基、Caroline Ann Oakley

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金沢アトリエ訪問vol.2 10:30

 1月29日(土)に開催された、「金沢アトリエ訪問vol.2」に参加しました。
今回の訪問先は、漆を使って制作するアーティストの田中信行さんのアトリエと、田中さんが漆を買っている、漆製造の高野うるし店さん。





エスコート役は、美術評論家の福住廉さん。コーディネート役が、金沢21世紀美術館の鷲田めるろさん。集合場所の金沢アートグミで簡単に今日の予定や自己紹介、「クリツーとは」などのお話をして、出発!



てくてく10分ほど歩いて、田中先生のアトリエに到着。田中先生のアトリエは、もともと「WATARI MUSEUM」というスペースでした。入口に、その名残。




入ってすぐの作業スペース。床は大理石です。
構想スケッチや、ポスターが壁に貼ってあります。




一 階奥の広い吹き抜けの部屋。天井には明かり取りの窓があり、明るくてシンとしています。田中先生は「この部屋はル・コルビュジエのロンシャン教会のような 感じがする、一番好きな部屋」とおっしゃっていました。大きな発泡スチロールの塊がゴロゴロしています。まずニクロム線で大まかに形をとり、その後カッ ターなどで細かく形を作ります。その上に麻布と漆を塗り重ねる、乾漆という技法。とても軽いです。




二階は、和室!実はこの建物は、町家をリノベーションしているんです。ベンガラの壁がきれいです。あちこちに田中先生が大きな作品を出して下さっていました。田中先生がコレクションしている漆塗りのお椀もいくつかありました。

田中先生は古い漆の道具も集めていて、漆を採集する道具なども見せて頂きました。田中先生の作品はつるっとなめらかな印象ですが、お椀や古道具は漆が重なった、ごつごつした感じ。実はそういう質感が大好きらしい。




田中先生は、へこんでるものやふくらんでるもの(平らでないもの)を塗っていると満たされるそうです。無心に山登りをするのに近い感覚、とおっしゃっていました。「いつか漆の海をつくりたい」という言葉に、想像が膨らみます。

田中先生のお話は、人がものを作りたくなったり、絵を描きたくなる衝動はどこから来るんだろう?と考えはじめるきっかけになりました。

漆は、乾燥すると黒くなります。来てすぐに田中先生が見本用に塗った一刷毛が、帰る頃には黒くなっていました。「漆黒」ですね

ここからは、田中先生もツアーに同行します。




続いて、高野うるし店へ。創業180年のうるし屋さんです。地下に降りると、むっと漆の匂い。漆って、樹液なんだなあと再認識しました。漆が入ったたくさん の木の桶と、精製のための機械が設置されています。元の漆原料は濃いクリーム色。それを精製し、ブレンドし、色を着けたりして、たくさんの種類の販売用の漆ができあがります。

いつも漆を扱うヘラは、自然と漆塗りになっています。お店の人のヘラの扱いはさすが。チューブに詰める作業も、このヘラだけで行います。きちんと砥石で研ぐそうです。




漆塗りにはとてもたくさんの行程があります。
筆はなんと人毛。コシがあるそうです。細かいところを書く為の猫の毛の筆もあります。漆材料のお店は、現在金沢市に3軒、石川県全体では8軒。需要は落ち込んでいるそうです。

高野うるし店さんを後にして、最後は、ジャズ喫茶「穆然」でほっと一息。寒い日だったので、あったまる!珈琲を飲みながら、参加者、福住さん、田中先生、クリツースタッフみんなで一つのテーブルを囲んで雑談します。この時間が楽しい!




テーブルでは、漆の産業化や需要の減少なども話題に上がりました。漆を「塗料」や「接着剤」として考えると、使い道はたくさんありそうです。産業はもちろん、工芸以外のアート作品の素材としても、もっと使われていいんじゃないかと思いました。




今回参加してみて、「金沢にこんな場所があったとは!こんな人がいたんだ!こんな文化や裏事情があるんだな!」と、まんまとクリツーの楽しみにハマりました。観光地などの表に現れている部分だけじゃなく、そこかしこに息づいている文化の深さや、それを醸成する過程こそが、金沢の街の魅力なんですね。

次回のクリツーイベントは、2/5(Sat)〜2/13(Sun)の、クリツーウィーク!
オープンスタジオ、建築訪問、アートコンシェルジュと盛りだくさんの一週間です。
詳しくはホームページで⇒http://tour.artgummi.com/
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金沢建築訪問vol.1 17:37
 2010年12月11日(土)に開催された
「金沢建築訪問vol.1」に行ってきました。

DM

これは、著名な建築関係者をエスコート役に迎え、
金沢の近代建築や町家・茶室を訪問し、普段見られない内部まで見学する企画です。

今回は建築史・建築批評家の五十嵐太郎氏をエスコート役に、
北國銀行武蔵ヶ辻支店/中島商店(村野藤吾設計)と中村卓夫家およびアトリエ(内藤廣設計)を見学してきました。


金沢アートグミ内に集合し、簡単な自己紹介の後、
集合場所である金沢アートグミも含む、ここ北國銀行武蔵が辻支店を見学していきます。

artgummi

北國銀行武蔵ヶ辻支店は、日本を代表する建築家、村野藤吾氏(1891−1984)の現存する数少ない初期の作品であり、昭和7年に北國銀行の前身である加能合同銀行の本店として建築され、昭和18年の3行合併による北國銀行の設立時から昭和33年までの間、本店として利用していた建物です。武蔵ヶ辻第四地区市街地再開発事業に伴い、全面改装を行い、2009年4月13日(月)に移転オープンしました。


銀行として利用されているので、私も含め地元の人にとっては見慣れた建物ではあると思いますが、
建物の歴史やデザインポイントを聞きながら見てみると、今まで気づかなかった建物の魅力に気づかされることも多く、大変興味深かったです。

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建物のデザインには、当時の建築主が藩政期から北前船問屋を営む加賀の資産家だったために
船の形や波の形が建物のデザインの随所に取り入れられているそうです。
建物の正面から見える印象的なアーチ型の窓は船の形が元だったんですね。
その他、暖房機の通気口の蓋の細かな模様や窓の格子が波形であったり、建物のいろいろな場所に建築家のこだわりが見えて、
建物を見学しながらちょっとした宝探しの気分が味わえました。


次の建物に移動する間に天候が悪くなってしまい、雨をなるべく避けるため近江町のアーケードを通り移動開始。
アーケードは人通りが多いため、集団移動は一苦労。こんな時クリツーの旗が目印として大変役に立ちます。
あってよかったクリツー旗。みなさんもご参加の際は迷子にお気をつけて。

傘が足りないトラブルなどもありましたが、なんとか次の目的地中島商店へ。

nakasima

中島商店の三代目当主が加能合同銀行(現 北國銀行武蔵ヶ辻支店)の計画図面を目にして惚れ込んだ村野藤吾に依頼し、1932年の4月と7月に相次いで竣工。双方とも茶色のレンガタイルの外装ですが、前者は左右対称、後者は大きくシンメトリーを崩し隣りの町家と背後の蔵を繋ぐ構成。中島商店の内装は村野の初期作品の中で最もよく保存され、現在も大切に使用されています。

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大まかな建物の説明を聞いたあと、建物内の見学へ。
1階は事務所や小さな応接室などがあり、応接室は小さいながらも天井が高く作られ、圧迫感なく過ごせるようになっています。


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そのまま靴を脱ぎ、2階の応接室へ。2部屋ある応接室はどちらも廊下に面した壁が模様ガラスになっていて中は見えませんが採光性が高く明るい室内。窓の周りにあしらわれた幾何学模様や、暖房器具などが部屋の雰囲気を壊さないように壁に埋め込まれたようなデザインなど、村野氏のこだわりが光る素敵な空間でした。また村野氏は建築物だけでなく、家具のデザインもされており、テーブルなどのモダンなデザインにも参加者のみなさん興味津々の様子でした。

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応接室のあとは建物のバックヤードを見学。
吹き抜けの階段から見える、格子状のアーチ型の大きなガラス窓は部分ごとに薄く紫の色がついており、
そこから注がれる光が打ちっ放しのコンクリートの空間とあいまって、神秘的な印象を与えます。
またこのデザインは地下室の天井隅付近にも施されており、表にまわると建物前の地面にある、デザインタイルのような部分がそれとわかりました。
細かなところにデザインの演出センスが光っていて心憎いです。


次は尾張町にある中村卓夫邸及びアトリエ(内藤廣設計)へ。

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ここは浅野川と藩政期からの商業地尾張町の間の閑静な住宅街に建てられた1996年竣工の住宅兼アトリエ。復元保存したベンガラ漆喰のホールのような座敷と庭の五葉松の古木がこの建築群の中心です。それを挟んで両脇を固める3階建てのRC・鉄骨混構造の建物が金沢の古い町並みに溶け込みながら現代的な構成を見せています。

まずは中心のお座敷から見学。

入り口に入るとまず目に入るのは、広々とした空間に置かれた、中村卓夫氏のお兄さん、中村錦平氏の作品達。
モダンで斬新な作品群がベンガラ色の漆喰と絶妙なコントラストを作り、この空間をより際だたせていました。
そのまま続いている座敷にあがると一面のガラス戸の向こうから立派な五葉松が見えて、
部屋全体が額縁となり、一つの絵画作品を見ているようでした。

座敷の中では、中村卓夫氏と五十嵐太郎氏のかけあいで施工までの経緯やデザインの特徴などを伺います。

革新的なデザインの建築物にしたいという思いと、自分の作る作品と伝統的な元の家との兼ね合いから、建築家を選ぶときは難航したそうです。

様々な有名建築家にオファーを出したそうですが、どの建築家も始めに更地にする案ばかり出してくる中、
唯一古いモノはあえて残した上で新しいデザインを提案してきたのが内藤廣氏だったそう。

自身が本当に納得する家を建てるには、やはりふさわしい建築家との出会いが大事なのだなと思いました。



お座敷内は、襖戸の取手部分が陶器で作られていて、白鷺だったり、内側は「福」で外側は「鬼」という文字があしらってあったりと、
和でありつつも遊び心のあるデザインになっていました。

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次に座敷を囲むように建っている、RC・鉄骨混構造の建物を見学。


さきほどまでの和の空間とは違い、一挙に現代的でシンプルな空間になります。

1階はギャラリースペースになっていて卓夫氏の作品が整然とした空間に贅沢に展示されています。
伝統的でありつつも斬新な卓夫氏の作品が、この無機的な空間と絶妙な融合を見せていて、その違和感のなさに驚かされます。

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2階はダイニングになっています。
3階まで吹き抜けた空間は開放感があって、実際の間取りよりも広く感じられます。
大きな窓を覆う引き戸は、奉書紙を墨で染めたもだそうで、
染めた時にできる色むらが、外光をより柔らかな濃淡で、
繊細に美しく見せてくれるところが気に入っているそうです。

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3階はギャラリー兼、ちょっとした休憩スペース。
中心に置かれた低いテーブルを囲むように、氏の作品が置かれています。
卓夫氏の作品と、奥様の煎れてくださったおいしいお茶とともに、
今度はこちらの現代的な建築物についてお伺いします。

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今では作品と空間が絶妙に響きあうこの空間ですが、
作品が家に馴染んできたのは住み始めて5.6年たったころからだそうです。
「根拠のない空間を与えられると、始めは歯ブラシをどこにおくかもわからない」とは氏の名言。(笑)
すべてが無機的な空間であるため、それぞれの部屋に用途をふりわけるのも一苦労だったようです。
しかし長く住んでいると自然と定位置ができてくるそうで、
ダイニングやギャラリーなど今では当たり前のようにその場所に落ち着いています。

そして暮らしが馴染んだ頃には、
その空間の持つ緊張感が逆に刺激となって卓夫氏の新たな作品を生み出す土台に。

人それぞれの家に求めるものがあるものがありますが、
この家は卓夫氏が求める家観でできているそう。
自分にはこの適度な緊張感が必要だったと氏はおっしゃっていました。


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最後に地下にある卓夫氏の作業場を見学して、その場を後にすることに。

優れた建築からまた新たなすぐれた陶芸作品が生まれる。
建築家と施主の理想的な形をみせてもらったような気がして、
とても充実した時間でした。


最後に簡単な座談会を兼ねて主計町にある町屋「土家」へ、


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鮮やかなうぐいす色の壁に彩られた内部は伝統的なお茶家さんの雰囲気で落ち着きます。
家主おすすめのトイレの内戸にある波千鳥の模様を螺鈿や胡粉で彩った装飾は
伝統的でありながら若い女の子にも受けそうなかわいらしさを醸し出していたり、
コンパクトでありながらもいろいろ楽しめる空間になっています。

この建物は、浅野川の反乱で床上浸水して空き屋となっていたお茶家をリノベーションしたもので、
どのような風に使うかはまだ検討中だそうです。
今後の活用に期待大ですね。

おいしいお茶とお菓子をいただいてほっこり。
少しの歓談のあと解散の途につきました。



今回の建築訪問は外国人のお客様も3名ほどご参加頂き、なかなかインターナショナル。
また、スタッフ含め参加者の中にも建築関係者やアート関係者、記者さん、学生さんや、学校の先生、金沢をもっと知りたいといった動機の方、様々な方が集まり、普段なかなか出会えないような方と交流する機会もあったのではないでしょうか。


次回の企画は1月下旬のアトリエ訪問です。
詳細はまた後日発表になりますが、前回以上にパワーアップした内容でお届けする予定です。
お楽しみに!

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金沢アトリエ訪問vol.1 10:18
 2010年11月21日(日)に開催された
「金沢アトリエ訪問vol.1」に行ってきました。

DM
これはその名のごとく、金沢で制作するアーティストのアトリエを
見せて貰いながら色々お話を伺う企画。
第一回目は金沢21世紀美術館館長をエスコート役に、
金沢在住のアーティスト山本基さんと牛島孝さんのアトリエに
お邪魔してきました。

冬にさしかかった金沢では珍しい程に
気持ちのよい晴れの日!まさに訪問日和です。
金沢アートグミに集合して、簡単な挨拶ののち出発。


まずは大野にある山本基さんのアトリエから。
山本さんは国際的に活躍されている現代美術作家で、
塩を使ったインスタレーション作品で知られています。
金沢21世紀美術館や金沢アートグミのオープニング展でご覧になった方も
多いのではないでしょうか。


海沿いにあるアトリエは10畳ほどのスペース。
昔さつまいもの倉庫だった建物で、制作を行うのに不備がないよう
色々相談しながら直したそう。
アトリエ内には材料、次の展示の会場図面、試作段階のオブジェ、工具、
構想メモなどが並び、性格が表れるのか、綺麗に整頓されて並んでいます。




山本さんからは、今までの活動については勿論、最近制作している
「渦巻き」のフォルムをした作品シリーズの話や、鉛筆で描いたドローイング、
次に展示を行うフランスのトゥールーズと箱根での展示のことについてもお話を伺いました。

秋元館長からは「彼の作品は非常に緻密な仕事なんだけれど、
出来たものに大きなイメージが結びついて広がっていく面白さがある」という一言も。



そして次は大桑方面にある牛島考さんのアトリエへ。
自宅兼アトリエ、ということで住宅街の中にひっそりとアトリエはありました。


牛島さんは金沢で制作を行いながら東京や海外で
発表活動をされている日本画家。「間」を感じさせる、
静謐な空気感のある作品が印象的です。


1階のアトリエの壁には、制作中の作品が並んでいる他、
押入れや引き出しから沢山の作品を出してもらい
実際に見せて頂きながらお話を伺いました。

制作方法や制作スタイル、日本画についてや
小学校からのドローイングがきちんとファイリングされていること(!)など
展覧会では聞けない・見れない・気付かない
牛島さんの側面を垣間見れた気がしました。




また、「絵の具が垂れていたり滲んでいたりするのはなぜ?」
「なぜ金沢で制作をしているの?」等といった参加者からの質問があったり
部屋に置いてあった本から会話が生まれたりと、
作家のプライベート空間にお邪魔する、クリツーならではの
やり取りもあったのではないでしょうか。



今回のアトリエ訪問には県内を中心に、
県外(東京や静岡、富山)の方にもご参加頂きました。
少人数でアトリエを回ったことで、対作家だけでなくアトリエ内や
移動中の車の中で、参加された方同士の交流があったことや
一般のアートファンが金沢21世紀美術館の館長とアートについてお話出来たことも
なかなか他ではない魅力なのではと感じました。

次の企画は12月11日(土)の「金沢建築訪問vol.1」です。
建築評論家の五十嵐太郎氏と金沢の建築を訪ね、普段はなかなか見られない
建物の内部なども見学します。訪問先は北國銀行武蔵ヶ辻支店/
中島商店(村野藤吾設計)と中村卓夫家住宅及びアトリエ(内藤廣設計)の2つ。
ちょっとアダルトに参加費5000円ですが、皆さんのご参加をお待ちしております。
詳細はこちら→http://tour.artgummi.com/
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オープンスタジオデー 18:51
2010年10月16日、17日の二日間開催された
クリエイティブツーリズムの企画、オープンスタジオデーで
アーティストのアトリエにお邪魔してきました。

今回の参加作家は
阿部乳坊、岩本清商店、菊谷達史、コフネコトモ子、長原めぐみ、
藤原絵里佳、マーガレット・ウィブマー、村住知也、山下きよみ
以上9名です。


今回は参加されているアーティストのうち6件を回ることが出来ました。
時間の関係で全部まわりきれなかったのは残念です。

広さや内装は人それぞれ違いましたが、
どのアトリエでも作品を生み出している現場のリアリティを感じることができました。
ガラクタの山や作家が普段使っている道具、未完成の作品の数々…
普段は見ることが出来ない創作活動の裏側を覗き見ることができて、
作品をみるときとはまた違う楽しさがありました。



では、回ったアトリエを順番に紹介していきたいと思います。


まずは村住知也さんのアトリエから。


ご自宅の2階の一部屋を使っているようです。
玄関から階段を上ってアトリエに着くまでの壁面には
他のアーティストの作品がたくさん飾られていました。
アトリエの棚の上にはたくさんのガラクタがあったのですが、
これがインスピレーションをくれたり作品の材料になったりするそうです。
村住さんからは、今回のように作家のアトリエを訪れるような企画は
習慣的にやった方がいいという意見、美大卒業後の活動で苦労したエピソードなど
沢山お話を伺いました。
こうして実際にアーティストの方とお話をできるのも
アトリエに訪問する魅力のひとつですね。


さて村住さんのアトリエを出たその次は、金沢美大にて、
コフネコトモコさん、菊谷達史さん、阿部乳坊さんの順番で
3方のアトリエを訪問しました。
同じ大学内とはいえど、アトリエの場所も大きさも使い方も
全く違っていて面白かったです。



コフネコトモコさんのアトリエは教室を半分に仕切ったスペースで、
普段は写真・映像編集などデスクワークが多いということで、
特に机付近にコフネコワールドが広がっています。
先月金沢アートグミで開かれていたコフネコトモコ展で見かけた絵画や藁、人形などが
アトリエに飾って(置いて)あるのを発見しました。
また、小さな試着室のようなものもあったり、机の棚には民俗学の本が結構ありました。
コフネコさんがパフォーマンスをする際に肌に貼るシールについて
少し話を伺ったのですが、あれは普通のインクジェットプリンターで
出力しているそうです。特殊なプリンターを使っているのだと思っていたので、
聞いた時は少し親近感が沸きました。




菊谷さんのアトリエは学内の通路を布で仕切ってあるスペースです。
アトリエの外には、中に納まりきらない絵画がいくつか並んでいました。
またアトリエの中にも大きなキャンバスが壁に立てかけられており、
床には絵具や筆が転がっていて、まさに作業中といった感じです。

菊谷さんの描かれる特徴的な人物の表情について伺ったところ
特徴が表れやすい目や眉毛を簡略化することで人物の匿名性を上げて
誰にでも置きかえられるようにするという目的があるそうです。
また、菊谷さんは最近水彩もすこし描かれるそうです。
試行錯誤して作品を作っているのだと伺いました。




阿部さんのアトリエは天井が高くて広い部屋が2つに仕切られていて、
小さく区切られた空間が作業スペースになっていました。
壁にデッサンがかけられていて、実際に彫刻されたものと見比べるのが面白かったです。
仕切られた大きなほうの空間には、製作途中の大きな作品が展示されていました。
阿部さんの特徴的な細いラインの彫刻についてお話を伺ったところ、
木の持つ“軽くて丈夫”という性質があるからここまで細く彫ることが
出来るのだと伺いました。
でもたまに細くしすぎて失敗してしまうこともあるそうです。

また、阿部さんいわく、彫刻には阿部さん自身のスタイルが出てしまうらしく、
人の形をしててもしていなくても、自分が表れているので”自刻像”なのだそうです。



さて、美大を出たあとは、陶芸の藤原絵里佳さんのアトリエにお邪魔しました。
アトリエは、村住さんと同様に自宅です。藤原さんはほんわりとしたお姉さんで、
作風と結構ギャップがありました。
アトリエの部屋は床に板が敷かれていて、土足入るようになっています。



藤原さんには製作中の作品を使って作業工程を親切に説明して頂きました。
私は土の事はよく知らなかったのですが、基本的な事を色々教えて頂きました。
棚には、まだ焼いていないものや、焼いている途中のものなど、それぞれ
違う工程のものがあって、どういう風に作品ができていくのかが
とてもわかりやすかったです。
また、自宅には普段の藤原さんの作風とは違った可愛らしい入れ物があったりと、
新しい発見もありました。
藤原さんの作品といえば味のある黒が特徴的ですが、あれは外側に枠をかぶせて、
そのなかに作品をもみ殻と一緒に入れて蒸し焼きにするそうです。
そういう一味違う過程を経てあの独特の色が出るのですね。面白いお話を聞きました。



そして最後にまわったのは長原めぐみさんのアトリエです。
長原さんの家は、友人3人で暮らしていて、時々カフェもやっているそうです。
家は隅々まで改装されていてカラフルでポップな内装でした。



上がアトリエの写真ですが、アトリエだけでなく家全体が
見ていてとてもおもしろかったです。

部屋ごとに雰囲気がちがった空間が広がっていて、純粋に楽しんでいたら、
夢中になりすぎてレポートをかくという役目を忘れていました。ごめんなさい。
なので報告できることがないのですが、本当に素敵なお家なので
是非カフェの開いているときに覗いてみてください。


長原さんのアトリエを一通り見学して、時間も迫ってきたので、そこで帰路につきました。
お昼過ぎから車で回ったので、もう少し早めに出ていたら全部回れたのかなと思うと残念です。
徒歩や自転車だと1日で全てまわるのは難しいと思います。
また、今回は道に迷わないで辿り着くことが出来たのですが、
少し迷った人もいるそうなので次はもっとわかりやすい地図を作成出来たら良いなと思いました。




さて、クリエイティブツーリズム、次の企画は11月21日の「金沢アトリエ訪問vol.1」です。
こちらは今回のオープンスタジオとは違って、団体でアトリエに行くツアー形式の企画です。
vol.1では、21美館長の秋元雄史さんのエスコートで、山本基さん、牛島孝さんのアトリエに訪問します。
定員が決まっていて、要申し込みです。詳しくはサイトもしくはフライヤーをご覧ください。
金沢アトリエ訪問vol.1。おたのしみに!
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